チェロ弾きの平日~日々の記録とひとりごと
昨日電車に乗って出掛けたところ、あまりにも眠くて舟を漕いでしまった藤丸です。
中高の時に通っていた習い事が遠くて(引っ越す前の近くだったので)良く寝てたなぁと思いだし、
ふと思いついた薄桜鬼・土千(?)SS。現パロです。
リハビリ、リハビリ。
あんまり推敲してないけど、こういうの(リハビリ)は勢いが大事なのでとりあえず載せちゃいます。
新年第1段!
つづきよりどうぞ。
--
拍手ありがとうございました。
中高の時に通っていた習い事が遠くて(引っ越す前の近くだったので)良く寝てたなぁと思いだし、
ふと思いついた薄桜鬼・土千(?)SS。現パロです。
リハビリ、リハビリ。
あんまり推敲してないけど、こういうの(リハビリ)は勢いが大事なのでとりあえず載せちゃいます。
新年第1段!
つづきよりどうぞ。
--
拍手ありがとうございました。
平日昼間の下り特別快速特急は、閑散としていた。
こんな電車に乗ったのは一体何年振りだろうと、土方は思う。
確かにラッシュでもない電車は空いてはいるが、それでも都心部ではここまで閑散としていることはない。
空席ばかりだ。
愛車の車検中に姉に呼び出されでもしない限り、こんな電車に乗ることなどほとんどないだろう。
今回だって車検を理由に断っても良かったはずだが、両親亡きあとかわいがって育ててくれた姉にはどうにも頭が上がらず、渋々こんな昼間に電車に乗っている始末である。
自分が座っている車両は、終点の階段から離れているせいか、一つの座席に一人か二人程度しか座っていない。それにもかかわらず、座席の一番扉側のすみに座った土方のすぐ隣には、一人の女子高生が座っていた。
座っていたというより、眠っていたという方が正しいか。
中間試験の最中なのだろうか、カバンの上に単語カードを開いている。
都心の駅で乗り込んだ時から眠たそうにはしていたが、いつの間にかカードをめくっていた手は止まり、舟を漕ぎだした。
ときおり土方の肩に頭が当たり、そのたびにハッと気づいてはこちらに謝る。そしてしばらくするとまた船をこぎ出す、の繰り返しだ。
最初は席を替わろうかとも思った土方であったが、あまりにもその謝る様子が可愛らしく、思わず彼女をマジマジと観察してしまう。
最近の女子高生にしては真面目な性質なのか、制服を気崩した感じはない。化粧っ気もなければ、眉などを整えたような跡もない。
だが決して野暮ったいわけではなく、閉じられている目元のくるんときれいにカールして伸びている睫毛だとか、すべらかな肌だとか、さらさらと流れるポニーテールにされた髪だとか、そういった一つ一つの素材の善さが、土方の目をくぎ付けにする。
己に少女を愛でる趣味はないはずだが、どうも目を離すことができそうもない。
そして何度目かの土方の肩に頭がついたタイミングを見て、土方は彼女の頭をそっと自分の肩に寄せた。
「そんなに眠いんだったら、いっそ俺の肩で寝ちまえよ」
走行音にかき消されるほど小さく囁いた声は、果たして眠る彼女に届いているのか。
すうすうと寝息をたてながら眠る姿は、まるで自分の存在に安心してくれているようで、こそばゆい。
次は終点、土方が他社線に乗り換える駅だ。少女もそこで降りるであろう。都心から軽く快速で40分、毎日通うには少々遠い部類に入るだろうか。きっと連日の通学に疲れているに違いない。
目が覚めたらどんな反応を示すだろう。
恐縮するなら、心配するなと駅ビルのあたりでコーヒーでもおごってやるか、と普段なら考えもしないことを思って心弾ませながら、彼女の目覚めるのを待った。
PR