チェロ弾きの平日~日々の記録とひとりごと
ロイアイの日、おめでとう!!
ということでかなり久々に文章書きました。
自分でもちょっと…な感じですが、もう勢いで載せておくよ。
だって、なんだか知らないけど鋼ブームだもん(実写だけどねww)
相変わらずやめろぉぉぉ!って思っているわけですが。
まあ止まらないでしょ、ここまできたら。
なんて大人な雰囲気を醸し出してみる(笑)
ということで続きよりロイアイ(?)SSです。
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お留守の間も拍手ありがとうございます!
ということでかなり久々に文章書きました。
自分でもちょっと…な感じですが、もう勢いで載せておくよ。
だって、なんだか知らないけど鋼ブームだもん(実写だけどねww)
相変わらずやめろぉぉぉ!って思っているわけですが。
まあ止まらないでしょ、ここまできたら。
なんて大人な雰囲気を醸し出してみる(笑)
ということで続きよりロイアイ(?)SSです。
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お留守の間も拍手ありがとうございます!
懐古
“東部の田舎”とはよく言ったもので、”シティ”などと名がついていても、メイン通りから少し外れたあたりは一歩裏通りに入れば碌な灯りすらないのが、イーストシティの市街地。
いくら治安が悪くはないとはいえ、日中帯はともかく深夜と呼ばれる時間帯に差し掛かると、人通りが少ないせいかそれなりに警戒が必要な暗さではある。
もちろんそのための巡察は警備兵によって行われているのだが、やはり狙われる可能性のある上官の護衛は必要なもので。
マスタング組もたまの親睦会と称して5人揃って飲みに繰り出すたび、いよいよお開きの時間となって必ず揉めるのは『誰が誰をを送るか』。
部下に飲まされ、すでにつぶされかけた上官を送るのは部下の仕事。
「大佐、送りますから帰りましょう」と女性副官が声を掛ければ、
「じゃ、大佐を送った後の女性を送るのは俺の役割っスね」と結構な酔っ払い少尉が豪快に立ち上がる。
「じゃあ、その酔っぱらいを送るのは俺らかよ」とそこそこ飲んでいる割には平然とした顔つきのビール腹少尉が面倒くさそうに呟けば、
「私たちも付き合うんですね…」と准尉と曹長が渋々とついてくる。
タクシーを呼べば即解決だが、生憎とこの時間は動いている台数も多くなく、呼ぶのも待つのも面倒。
となれば結局、指揮官の家に向かってギャーギャー、ワーワーと騒ぎながら(時には窘めながら)巡業さながら街中を歩き、到着した上官の家に上がり込んでもう一度飲み始める……なんていうことも少なくはなく。
そんな生活も、また厳しい軍隊生活の中での楽しみの一つでもあったのは事実だ。
「……あのころは楽しかったですよね」
そんな風に思えるのは、メンバーも環境も変わってしまったからか。
一度はリタイヤしてリハビリに奮励する者、飛ばされた北部で居場所を見つける者、ここに戻ってきた者。
それまでは同じ方向を向いていた者たちが、クーデターをきっかけにそれぞれの方向に向かって道を歩み始めている。
それは決して悪いことではないけれども、やはり少し寂しいもので。
「まあ、みんな若かったからな」
「みんな独り身で、自由でしたしね」
煌々と足元を照らす街灯の中を静かに歩きながら、副官と二人歩く道は至って静かだ。
田舎のように暗くはないけれども物騒な事件も少なくはないセントラルの夜は、やはり護衛が必要で。
大通りから入った裏道を歩く二人の足音だけが、夜の街に響く。
そこそこ年齢が上がった今は、もう部下に無理やり飲まされてつぶされるようなことはないが、その分若い世代が楽しめるよう先に引き上げるのが上官の礼儀のようなもので、そんなに遅くはない時間のうちに帰宅の途につく。
どこかで飲み直すのも悪くはないが、今日はまっすぐ自宅に向かった。
「送ってもらって、すまなかった」
自宅について、ジャケットの旨ポケットから鍵を取り出しながらそう告げば、返ってくるのは彼女の言葉は至って真面目。
「いえ、当然のことですから」
今にも敬礼でもしそうなほど、軍人然とした様子を抜けていない。
けれども、その顔を崩すのも楽しみの一つで。
「……泊っていくだろう?」
「いえ、ハヤテ号が家で待っていますから」
にっこりと、そしてやんわりと断る副官は、想定内。
「ハヤテ号なら、もう連れてきている」としれっと口にすれば、
「は?」と大袈裟なくらい目を見開いて軍人の顔を崩す。
堪え切れずにくくくっと笑いながら解錠すれば、玄関で待つのは彼女の愛犬。
嬉しそうに跳び付く彼に、彼女もそれ退けるようなことはできず。
「……嵌めましたね」
恨めしそうに呟く彼女の腰を抱いて、もう逃げられないぞとばかりに玄関の内に促せば、彼女も仕方ないとひとつ溜息をこぼして、つき従う。
「明日、二日酔いで苦しんでも知りませんからね」
酒には強い彼女のこと、きっとあとワインの一本くらいは簡単に空けてしまうのだろう。
まあ、少しくらいは付き合ってやろうと苦笑しつつ、玄関の扉を後ろ手に閉めた。
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